劇場からの失踪

映画をこよなく愛するArch(Ludovika)による映画批評 Twitterもあるよ @Arch_Stanton23

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友情よ、暮れてくれるな『くれなずめ』劇場映画批評22回

今回紹介するのは松居 大吾監督の『くれなずめ』です。 暮れそうで暮れない時間、そんな時間の中で彼らはどう喪失と向き合うのか。ちょっぴり大雑把で内輪ノリ、だけどその答えはどこか清々しい一作です。

そのおもかげに抱く感情の名前は『おもかげ/Madre』劇場映画批評21回

題名:『おもかげ/Madre』製作国:スペイン/フランス監督:ロドリゴ・ソロゴイェン監督製作年:2020年 目次 短編から生まれた作品 息子の面影に何を想うのか 冒頭との対比 恋、そして再生 短編から生まれた作品 陽光が差し込む白を讃えた部屋、息子の拙い絵が飾…

狂気の一発撮り、宮本武蔵の降霊『狂武蔵-CRAZY SAMURAI MUSASHI』劇場映画批評20回

今回紹介するのは『狂武蔵』です。9年の時を経て封印を解かれた狂気の一作。77分のワンシーン、ワンカットの衝撃は他に類を見ない。その魅力をご紹介します。

タトゥーは肌に罪と罰を刻み付ける『SKIN/スキン』劇場映画時評第19回

今回紹介するのは劇場映画時評第19回『SKIN/スキン』です。 実話に基づいた白人至上主義者の更生までの道のりを描く。タトゥーが簡単に消せないようにその道のりは苦難の連続。 差別の根源を徹底的に描いた本作。おすすめです。

加害者と被害者しかいないこの世界で『許されたこどもたち』劇場映画時評第18回

今回紹介するのは内田瑛亮監督の『許されたこどもたち』。過去作の『先生を流産させる会』と同様少年少女の社会問題を扱った本作。 決して他人事ではない。おすすめです。

小さな貴婦人が大人になるまで『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』 劇場映画時評第17回

題名:『ストーリー・オブ・マイライフ 私の若草物語』原題:『Little Women』製作国:アメリカ監督:グレタ・ガーヴィグ監督製作年:2019年 どうもArchです。今回紹介したのは150年前の大傑作少女小説原作の『ストーリー・オブ・マイライフ』だ。『レディー・バ…

貴方の居ない世界は治らない『CURED キュアード』劇場映画時評第16回

今回の劇場映画時評16回は『CURED キュアード』です。ゾンビ映画のタブーに触れている本作、徹底的に残酷に"ゾンビ"に向き合っており、デヴィッド・フレイン初監督作品とは思えない所業でした。おすすめです!

マッチをすり、戦争を起こせ『囚われた国家』劇場映画時評15回

今回紹介するのは劇場時評第15回『囚われた国家』。 「マッチをすり、戦争を起こせ」 現代を反映したデェストピアSFムービー。いまだからこそ観るべき一本です。

-ジャームッシュ最新作は何故失敗したのか-『デッド・ドント・ダイ』劇場映画時評第14回

今回紹介するのは劇場時評14回『デッド・ドント・ダイ』。今回は初めての酷評回、なぜジムジャームッシュの最新作は失敗したのか。 長文になってしまいましたが、是非読んで頂ければと。

今蘇る、戦場を生きた彼らの軌跡『彼らは生きていた』劇場映画時評第13回

今回,劇場映画時評を行うのは「彼らは生きていた」です。ピータージャクソン監督が蘇らせた第一次世界大戦の軌跡。そこには我々の観たことない彼らの生きた証があった。

映画批評『落下の王国』-落ちた先にあった魔法の国-

今回批評紹介する映画は『落下の王国』。構想26年,製作期間4年という長い時間を掛けた圧倒的映像力で語られる小さな"作り話".おススメです!

世界中のショートフィルムに出会えるサイト「BSSTO」おススメ作品を紹介!!

世界中のショートフィルムに出会うことが出来るサイト「BSSTO」。ショートフィルムの魅力が伝わる作品を紹介,批評を行っていきたいと思います。

『ザ・ウォーカー』-デンゼル×座頭市×ウエスタン!最後の一冊を巡る終末放浪記-「シネマコンパス」第二回

「シネマコンパス」第二回で紹介するのはデンゼル・ワシントン主演の『ザ・ウォーカー』。 終末世界を舞台に"ある本"を西に運ぶ男の物語。その鋭いビジュアルが生み出す世界観の魅力をネタバレ無しで紹介します。

『ゆれる人魚』- 人魚は己の悲恋を唄う「シネマコンパス」第1回

今回から始まった映画紹介コーナー。題して『シネマコンパス』。第一回目で紹介するのは『ゆれる人魚』ポーランド産の不可思議な人魚の物語。ネタバレなしで紹介していきます。

映画批評『サウンドオブノイズ』-静寂は音楽なのか…音楽の妥協なき追求-

今回紹介するのは「サウンドオブノイズ」。街中を楽器にしてしまう集団「音楽テロリスト」とは一体何なのか……。 前半はネタバレなしに作品の魅力を紹介、後半はネタバレありで徹底考察したいと思います。

映画批評『タイラーレイク-命の奪還-』-子連れ狼の決死の脱出劇-

ルッソ兄弟製作,サム・ハーグレイブ監督Netflixオリジナルのアクション映画『タイラー・レイク-命の奪還-』の批評 スタント出身監督ならではの斬新なアクションの使い方とは!

散りばめられたメタファーが社会の正体を暴く『ゼイリブ』

今回紹介するのはジョン・カーペンター監督の『ゼイリブ』。社会風刺を未曾有のエイリアン侵略に重ねてしまう強烈な一作。おすすめです。

至高の音楽と共に語られる西部への憧憬と郷愁『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』

今回紹介するのは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』。セルジオ・レオーネの紡ぐフロンティア・スピリットへの憧憬と哀愁。おススメです。

繰り返す憎悪と暴力の歴史~『猿の惑星』シリーズ~ 【ネタバレ注意】

今回紹介するのは『猿の惑星』旧シリーズ五作品です。SF映画の金字塔になったこのシリーズの魅力、猿と人間の対立の先に見えた一つの解答とは?おススメです。

日常が崩れる音は銃声と似ている『エレファント』

今回紹介するのはガス・ヴァン・サント監督の『エレファント』です。本作は実話に基づいているが、本作は事件の本質とは違うところにある。 わずか80分弱の映画の尺、余白をつなぎ合わせたような時間が、貴方に他の作品よりも長い思考の時間を与える。 この…

不可逆な青春を駆ける旅『マイ・プライベート・アイダホ』

今回紹介するのは『グッドウィルハンティング』などで知られるガス・ヴァン・サント監督の『マイ・プライベート・アイダホ』(米1991年)です。 若き日のキアヌ・リーヴスと今は亡きリヴァー・フェニックスのW主演で、体で金を稼ぐ青年たちの青春を描いた作品…

「グザヴィエ・ドランの世界」監督特集 -集大成としての『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』-

今回紹介するのは『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』です。 こちらは新進気鋭、新世代の先駆者として知られるカナダ出身の監督グザヴィエ・ドランの最新作であります。 監督デビューを果たした第一作『マイ・マザー』を作り上げたのは若干20歳。低予算である…

若者の魂の漂流 『パーマネントバケーション』

今回紹介するのはジム・ジャームッシュ監督、初監督作品『パーマネントバケーション』(米1980年)である。 ニューヨーク大学で映画を専攻した彼が、その卒業制作として製作された初長編映画で、ニューヨーク郊外を彷徨うように歩く若者の爛れた一日をエモーシ…

鬼才ジュネ監督の原点、肉躍る世紀末の巴里『デリカテッセン』

ジャン・ピエール・ジュネ監督&マルク・キャロ監督のタッグによる初監督作品。 今回紹介するのは「デリカテッセン」である。 1991年に作られたフランスの映画であり、映画ジャンルで言えば"ダークコメディ"である。 舞台は核による終末戦争終結後、荒廃した…

映画の真実へのアンチテーゼ。暴走する青春。『アメリカン・アニマルズ』

昨年の5月に公開された『アメリカン・アニマルズ』 当時、新宿武蔵野館にて劇場鑑賞したときの衝撃は未だに忘れられない。"真実に基づく物語"というジャンルを根底から覆すような斬新な切り口。近年『ボヘミアンラプソディー』などの「事実に基づきながらも…

剥き出しの魂が触れ合う筏の冒険『ピーナッツバターファルコン』劇場映画批評第12回

劇場で観た作品をピーナッツバターを顔に塗りたくりながら紹介する劇場批評回「劇場から失踪」第12回 施設に一人の男がいる。脱獄に2度失敗してもう後がない。でも夢を叶えるため、憧れの男に会うため柵をこじ開ける。 ボートに一人の男がいる。兄の死という…

靴紐の結べない君たちに捧ぐ愛の物語『ジョジョラビット』劇場映画批評第11回

劇場で観た作品を息子に愛を説くように書き連ねる劇場批評「劇場から失踪」第11回 ※ネタバレあり どうもArchです 今回紹介するのは「ジョジョラビット」です。 第二次世界大戦期,ナチスの青少年軍団ヒトラーユーゲントに参加した少年ジョジョは屋根裏に隠れ…

破壊王から解き放たれた"悪ガキ共"『BAD BOYS FOR LIFE』 劇場映画批評第10回

劇場で観た作品を"ネタバレなし、短め"にこれが最後だと思いながら書き連ねる劇場批評回「劇場から失踪」第10回 今回で記念すべき10回目。 ネタバレなしで短く書くつもりが最近は長くなっている劇場批評回。 ちゃんと原点に戻り、絞ってネタバレ少なく批評し…

現実を凌駕する夢という名の虚構「テリーギリアムのドン・キホーテ」劇場映画批評第9回

劇場批評回第9回で紹介するのは『テリーギリアムのドン・キホーテ』。テリーギリアムの呪われた企画の成就。メタ的な構成が虚実を覆すカタルシスを感じられます。おススメです。

7000rpmの先に見た男達の世界「フォードvsフェラーリ」劇場映画批評回第8回

劇場で観た作品を"ネタバレなし、短めに" アクセルべた踏みながら夫に詰め寄るように書き連ねる劇場批評回「劇場から失踪」第8回 ―――――――――――――――― エンジンの爆音,タイヤがアスファルトに吸い付く音が鳴り響く。 その先に静寂な世界がある。そこは7000rpmを…