劇場からの失踪

映画をこよなく愛するArch(Ludovika)による映画批評 Twitterもあるよ @Arch_Stanton23

MENU

『NOPE/ノープ』スペクタクルに向かってを撃て 劇場映画批評79回

今回紹介するのは『ゲットアウト』や『US』で一躍ホラージャンルに革新的な潮流を生み出したジョーダン・ピール監督の最新作、『NOPE/ノープ』である。NOPEというタイトルは簡単に言えば、「もう無理!」という感じのきっぱりNOを突きつける形の否定表現であ…

『彼女のいない部屋』彼女の逃避行には目的地はない。ただ春に終わる。 劇場映画批評78回

今回紹介するのは、俳優としてもフランスを中心に活躍しているマチュー・アマルリック監督の最新作、『彼女のいない部屋』である。主演は『ファントム・スレッド』などで有名なビッキー・クリープス、非常に難しい役どころを繊細に演じていた。 ネタバレ無し…

『C.R.A.Z.Y』レコードに刻まれるは家族の行方 劇場映画批評77回

今回紹介するのは大好きなジャン=マルク・ヴァレの処女作である『C.R.A.Z.Y』である。クリスマスに生まれた四男のザックを主人公に、他5人兄弟とその両親の家族の物語で、『ダラスバイヤーズクラブ』でも描かれた同性愛を取り扱った作品でもある。 ジャン=…

『なまず/Maggie』虚実を跨ぐシンクホールとなまず 劇場映画批評76回

今回紹介するのはイ・オクソプ監督の『なまず/Maggie』である。主演は『野球少女』や『梨泰院クラス』で一躍有名となったイ・ジュヨン。ただ本作はそういった作品で知名度が上がる前に撮られており、イ・オクソプ監督の慧眼を認めざるを得ないだろう。 なん…

『ギルバート・グレイプ』家を支える柱は折れるのか 劇場映画批評75回 [12ヶ月のシネマリレー第一弾]

今回紹介するのは、レオナルド・ディカプリオ×ジョニー・デップの名作『ギルバート・グレイプ』である。本作は「12ヶ月のシネマリレー」という名作の復刻上映企画の第一弾として2022年8月公開された作品である。非常に面白い企画かつ、ほとんど自分が見たこ…

『きっと地上には満天の星』リトルに生えた翼 劇場映画批評74回

今回紹介するのは、「モグラびと ニューヨーク地下生活者たち」を原案として、ニューヨークの地下に実際に存在した人々からインスパイアされた『きっと地上には満点の星』である。セリーヌ・ヘルドとローガン・ジョージのコンビによる初長編作品である。短…

『ジュラシックワールド 新たなる支配者』どこまでも不誠実 /何を以て共存とするのか 劇場映画批評73回

今回紹介するのは『ジュラシックワールド』シリーズの完結編である『ジュラシックワールド 新たなる支配者』である。旧シリーズのキャストも登場し、旧シリーズも含めた堂々たる完結編として期待されていた本作、蓋を開ければ一切の期待に応えられていない駄…