劇場からの失踪

映画をこよなく愛するArch(Ludovika)による映画批評 Twitterもあるよ @Arch_Stanton23

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『MEMORIA/メモリア』記憶を伝播する残響 劇場映画批評第46回

今回紹介するのはアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の最新作『MEMORIA/メモリア』である。本作は初めてのタイ国外で制作された作品で、アピッチャポン監督のカンヌ4度目の受賞作品でもある。自分は初めてのアピチャッポンだったのだが、非常に哲学的かつ…

『真 事故物件 本当に怖い住民たち』 「事故物件」よりは100倍マシ 劇場映画批評第45回

今回紹介するのはジャパニーズホラーの新進気鋭佐々木勝己監督の最新作『真 事故物件 本当に怖い住民たち』について語っていく。ジャパニーズホラーは自分が最も浅いジャンルと言っても過言ではないため、今回初めて佐々木勝己という名前を聞いた。 自分はタ…

『Ribbon』ゴミか芸術か 劇場映画批評第44回

今回紹介するのは、のん が脚本監督主演を務めた初の劇場長編作品「Ribbon」である。2020年、誰もがコロナ禍によって日常を奪われた年、学生たちにとっては特に苦難の年だったはずだ。就職への影響や卒業にまつわる諸事情、また入学したにも関わらず学校にい…

『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』公民権運動への軌跡 劇場映画批評第43回

今回紹介するのは、『大統領の執事の涙』のリー・ダニエルズ監督最新作『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』です。ビリーホリデイが人生を名曲『奇妙な果実』とドラッグを巡るFBIとの闘いを中心に描き出している。ビリーホリデイを演じたのは…

『ドリームプラン』親が子供を守るということ 劇場映画批評第42回

今回紹介するのはウィル・スミスが主演製作を担当し、テニスの世界チャンピオンを二人も輩出した実在の家族を描いた『ドリームプラン』だ。予告を見た時点では、娘の将来を親が良かれと思いつつも、本人の意思を抜きにして決めてしまう親にかなりの違和感を…

『GAGARINE/ガガーリン』宇宙とガガーリン団地の接近 劇場映画批評第41回

今回紹介するのは、ファニー・リアタール,ジェレミー・トルイ監督の初長編作品『ガガーリン』です。主人公ユーリを演じるのはアルセニ・パテイリ、ヒロインは『フレンチ・ディスパッチ』『オートクチュール』など注目作に出演するリナ・クードリ。ちょっとア…

『ちょっと思い出しただけ』6年前から夜は変わらないのに 劇場映画批評第40回

今回紹介するのは、本ブログでも劇場映画批評22回で取り上げた『くれなずめ』の松居大悟監督の最新作『ちょっと思い出しただけ』です。『くれなずめ』は非常に変わった作品でしたが、パンフによると、比較的いつもの松居流の作品だったそうで、本作のような…