劇場からの失踪

映画をこよなく愛するArch(Ludovika)による映画批評 Twitterもあるよ @Arch_Stanton23

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『選ばなかったみち』より身体的な平行人生の体験 劇場映画批評第39回

今回紹介するのはサリー・ポッター監督が若年性認知症だった弟の介護の実体験に基づいて撮った『選ばなかったみち』だ。本作はハビエル・バルデムと我らがエル・ファニングが親子役で初共演しており、彼らが演じるレオ(ハビエル)とモリー(エル)が共に過ごす24時…

『マヤの秘密』マヤの天秤は現在を測らない 劇場映画批評第38回

今回紹介するのはユバール・アドラー監督による緊迫の監禁スリラームービー『マヤの秘密』だ。冒頭の牧歌的なシャボン玉遊びの光景が、指笛一つで崩壊し、泥沼な状況に転げ落ちていく流れに、日常の脆さを痛感させられる作品になっていた。マヤ演じるノオミ…

『ロスバンド』モラトリアムを脱出せよ 劇場映画批評第37回

今回紹介するのはノルウェー発の音楽ロードムービー『ロスバンド』だ。監督はクリスティアン・ロー。聴き慣れない方だが、長編三作目である本作は2018年のベルリン国際映画祭ジェネレーション部門にノミネートされており、無名というわけではないらしい。因み…

『マザーズ』境界線の前身,祝福の是非 劇場映画批評第36回

今回紹介するのは、アリ・アッバシ監督長編一作目『マザーズ』です。アリ・アッバシ監督といえば長編2作目の傑作『ボーダー』を連想するでしょう。この度「未体験ゾーンの映画たち」の枠で本邦初公開された本作は、『ボーダー』を踏まえて観に来る人も多いは…

『真夜中乙女戦争』 画面の先の東京を憂うことができるのか。 劇場映画批評第35回

今回紹介するのは、二宮健監督作品『真夜中乙女戦争』。二宮健監督といえば『チワワちゃん』が一番に頭に過ぎり、東京を軽薄に真剣に生きていた門脇麦ら群像が、夜を駆ける刹那の情景が今でも思い出される。本作はそんな『チワワちゃん』に通じる「艶やかな…

『ハウス・オブ・グッチ』しょうもない愚痴しか思いつけない、GUCCIだけに。劇場映画批評第34回

今回紹介するのは『ハウス・オブ・グッチ』です。

『エッシャー通りの赤いポスト』 エッシャー通りでつかまえて 劇場映画批評第33回

今回紹介するのは、園子温監督の『エッシャー通りの赤いポスト』です。初の本格的なワークショップで51人の役者と作り上げた唯一無二の傑作です。