『ある映画狂の失踪』サイト管理者のArchです。
まずこのサイトではどういった映画批評を行っていくかについて記述する。
”映画批評というものはレビューではないもっと体系的だし、少なくともウェブに溢れる「面白い」「つまらない」といった感想程度のゴシップではない”
これは『伊藤計劃映画時批評』という本の第0回から引用したものだ。続けて引用する。
"厳密な意味での「批評」はその映画から思いもよらなかったヴィジョンを捻りだすことができる面白い読み物だ"
伊藤計劃は小説家で2009年,34歳の若さで急逝した。彼は映画通で自身の批評をネットに書き溜めていて、亡くなったのち本の形で出版されたのが
『伊藤計劃映画時批評』である。
話の流れが分かりづらいだろう。何故この本を引き合いに出したかというと,今サイトの批評がこの理念に基づいて書いていこうと考えているからである。
批評というのは書き手の印象批評のことを言うのではなく、読み手に思いもよらない映画の側面を気づかせる読み物である必要がある。
一般人である自分にそれは大変難しい。誰か影響を与えられる文章とはつまり、小説家たる彼の領域でのみ語られるものであるはずだ。
しかしそういった方向性をもって書いていこうという意思表示だけはしていきたい。いつか誰かに影響を与えることのできる批評を残せるよう精進していこうと思う。