劇場からの失踪

映画をこよなく愛するArch(Ludovika)による映画批評 Twitterもあるよ @Arch_Stanton23

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『よだかの片想い』人は服を着てその痣を隠せる生き物だから 劇場映画批評85回

これまでいくつものフィクションにおいて身体に傷を抱えていたり、見た目に特徴的な部位がある登場人物に「よだかの星」はモチーフとして当てられてきた。 それが何故かと言うと、「よだかの星」という物語の結末が、もたらす悲壮感が登場人物の現在の心境を反…

『激怒』貯めたフラストレーションは全て噴き出すのか 劇場映画批評84回

今回紹介するのは、映画好きにはお馴染みの映画ライター高橋ヨシキの初監督作品。 旧友である川瀬陽太を主演に、遠くない現実と地続きなディストピア世界に「怒り」を噴き出す物語となっている。高橋ヨシキらしいテーマ設定、ジャンルムービー感が魅力の作品…

『LOVELIFE』部屋の記憶 劇場映画批評83回

今回紹介するのは、『よこがお』等で世界的にも評価されている深田晃司監督の最新作『LOVELIFE』である。矢野顕子が1991年に発表したアルバム「LOVE LIFE」に収録された同名楽曲をモチーフにした本作は、その曲を映画のラストに流すため、逆算的に作ったとい…

『裸足で鳴らしてみせろ』触れることは、相手を感じること、手に入れること、実感すること。そして突き飛ばすこと、傷つけてしまうこと、束縛すること、現実に引き戻してしまうこと。劇場映画批評82回

今回紹介するのは、PFFスカラシップ第27回作品である『裸足で鳴らして見せろ』である。『オーファンズ・ブルース』で監督デビューした工藤梨穂監督の長編二作品目の本作は、旅をする物語を撮りたかったという監督の考えを発端にしながらも、蓋を開けてみれば…

不可視の事物と対峙してきた監督 M・ナイト・シャマラン監督特集

今回は監督特集第三弾として「M・ナイト・シャマラン監督(以下シャマラン)特集」を行っていきたい。スリラーの鬼才と呼ばれた監督の過去12作品に加えて、最新作『オールド』に至るまでの全13作品のフィルモグラフィーを考察し、シャマラン監督の作家性という…

『ブロークン・ジェネレーション撲殺!射殺!極限の暴力少年たち』 月曜日は人生の終わり 劇場映画批評第81回

今回紹介するのは、ペネロープ・スフィーリス監督の『ブロークン・ジェネレーション撲殺!射殺!極限の暴力少年たち』である。『アメリカン・グラフティー』のような青春映画と『地獄の逃避行』のような逃避行映画を繋ぐ地平に立つ本作は、特異点的な作品で…

『ブラック・フォン』子供達が子供たちの為に、子供達の力だけで 劇場映画批評80回

今回紹介するのは、スコット・デリクソン監督の最新作『ブラック・フォン』である。『ドクター・ストレンジ』などで有名な彼は、その続編の監督をする代わりに本作の監督についた。非常にウェルメイドなホラー作品に仕上がっていて、誰にでもおススメできる…