劇場からの失踪

映画をこよなく愛するArch(Ludovika)による映画批評 Twitterもあるよ @Arch_Stanton23

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若者の魂の漂流 『パーマネントバケーション』

今回紹介するのはジム・ジャームッシュ監督、初監督作品『パーマネントバケーション』(米1980年)である。 ニューヨーク大学で映画を専攻した彼が、その卒業制作として製作された初長編映画で、ニューヨーク郊外を彷徨うように歩く若者の爛れた一日をエモーシ…

鬼才ジュネ監督の原点、肉躍る世紀末の巴里『デリカテッセン』

ジャン・ピエール・ジュネ監督&マルク・キャロ監督のタッグによる初監督作品。 今回紹介するのは「デリカテッセン」である。 1991年に作られたフランスの映画であり、映画ジャンルで言えば"ダークコメディ"である。 舞台は核による終末戦争終結後、荒廃した…

映画の真実へのアンチテーゼ。暴走する青春。『アメリカン・アニマルズ』

昨年の5月に公開された『アメリカン・アニマルズ』 当時、新宿武蔵野館にて劇場鑑賞したときの衝撃は未だに忘れられない。"真実に基づく物語"というジャンルを根底から覆すような斬新な切り口。近年『ボヘミアンラプソディー』などの「事実に基づきながらも…

剥き出しの魂が触れ合う筏の冒険『ピーナッツバターファルコン』劇場映画批評第12回

劇場で観た作品をピーナッツバターを顔に塗りたくりながら紹介する劇場批評回「劇場から失踪」第12回 施設に一人の男がいる。脱獄に2度失敗してもう後がない。でも夢を叶えるため、憧れの男に会うため柵をこじ開ける。 ボートに一人の男がいる。兄の死という…

靴紐の結べない君たちに捧ぐ愛の物語『ジョジョラビット』劇場映画批評第11回

劇場で観た作品を息子に愛を説くように書き連ねる劇場批評「劇場から失踪」第11回 ※ネタバレあり どうもArchです 今回紹介するのは「ジョジョラビット」です。 第二次世界大戦期,ナチスの青少年軍団ヒトラーユーゲントに参加した少年ジョジョは屋根裏に隠れ…

破壊王から解き放たれた"悪ガキ共"『BAD BOYS FOR LIFE』 劇場映画批評第10回

劇場で観た作品を"ネタバレなし、短め"にこれが最後だと思いながら書き連ねる劇場批評回「劇場から失踪」第10回 今回で記念すべき10回目。 ネタバレなしで短く書くつもりが最近は長くなっている劇場批評回。 ちゃんと原点に戻り、絞ってネタバレ少なく批評し…

現実を凌駕する夢という名の虚構「テリーギリアムのドン・キホーテ」劇場映画批評第9回

劇場批評回第9回で紹介するのは『テリーギリアムのドン・キホーテ』。テリーギリアムの呪われた企画の成就。メタ的な構成が虚実を覆すカタルシスを感じられます。おススメです。